tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

トランプ効果の行方

2017年03月22日 11時42分44秒 | 経済
トランプ効果の行方
 このところ日本の証券関係の方々の意見では、トランプ効果でしょうか、先高観が一般的のようですが、(本当にそうであれば結構ですが)どうでしょうか。
 昨日のNY市場ではダウが200ドル以上下げ、今日の東京市場はそれを見習って、300円以上下げています。

 昨日今日の動きでどうこうという事ではありませんが、少し長い目で見れば、今のトランプ経済政策が、本当にアメリカ経済を建直すかどうかには かなり疑問があるはずです。
 あらゆる自由化の流れを主導して生きたアメリカが、突如保護主義の旗を立て、安倍さんはヨーロッパへ飛んで、EUと日本で保護主義に対抗しようと話し合っています。

 もともと、アメリカの自由化推進政策には、それがアメリカに有利だからという意識があったのでしょう。
 自由化の中では、競争力の強い国が有利であるに決まっています。アメリカは、そのつもりでいたのですが、いつの間にか競争力の弱い国になって来ていたようです。

 そして、政治力やマネーゲーム力(?)を駆使してやり繰りしようとしたのでしょうか。しかし今回のTPP交渉では、マイナスの面が目立ってきて、トランプ政権は「やっぱり保護主義だ!」といって選挙戦を制したのでしょう。

 つまり、アメリカは、経済力の弱い国として自覚し、方針転換をしたという事なのでしょう。その結果はどういうことになるのでしょうか。
 経済力の弱い国は、国境の壁を高くし、国内経済を海外から遮断して、国内の繁栄を求めることになりますが、資源国の有利さはあるにしても、今のアメリカ経済は複雑な国際関係の中にあります。

 そこで、その総合調整を、為替レートですることになるのでしょう。つまり ドル安は必要不可欠な条件です。金利を上げても、ドル安指向は変わらず、そのためにはマネーゲーム力が必要です。 金融取引の規制緩和も必要です(ドッド・フランク法廃止?)。

 しかし、為替レートで経済力を強くすることは基本的には出来ないでしょう。実体経済の力は弱まるばかりです。
 今の日銀にも言えますが、金融政策は万能ではないのです。そして結果的に保護主義は、アメリカ経済をひ弱にするでしょう。
 トランプ経済政策のアメリカの将来は、かなり心配です。

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